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「朝食抜き」は心の不調を引き寄せる?若者の注意力低下がカギだった

元になった研究Frontiers in Psychiatry(2025年)・2025年

スナップサマリー

  • 朝食を抜く若者は、うつ症状が強い傾向があることが判明
  • 注意力の低下がその仲介要因として機能している
  • 習慣的に朝食を摂ることが、メンタル不調の予防に有効かも

研究を読むきっかけ

「最近、どうも集中できなくてさ……」とつぶやくのは、広告代理店で働く23歳の遥(はるか)さん。クライアントとのミーティング中も、SNSの通知音に思考を邪魔されてしまう。⏰忙しい朝、ついコンビニコーヒーだけで出社してしまう生活が続いていた。そんなある日、同僚の健人(けんと)くんが話してくれた。「朝ごはん、ちゃんと食べるだけで気分が変わるって、最近の研究で出てるらしいよ」。

研究の紹介(論文情報)

この研究は、香港の若者3,154名を対象にした疫学調査に基づくものです。

研究の要旨(Abstract 全文)

重要性

朝食を抜くことは、若者に多く見られる習慣であり、認知機能や精神的健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。

目的

注意力の低下(impulsivity)が、朝食抜きとうつ症状との関連を媒介するかを調べる。

方法

2019〜2022年にかけて、15〜25歳の若者3,154人を対象に調査。朝食の習慣、注意力(BIS-11スケール)、うつ(PHQ-9)、不安(GAD-7)を測定。

結果

  • 毎日朝食を摂っているのは33%、まったく摂らないのは14.2%
  • 朝食を抜くほど注意力・自己コントロールが低く、うつスコアが高い
  • 注意力の低下が、朝食抜きとうつ症状の34.2%を説明(統計的に有意)
  • 結論

朝食抜きはうつ症状に関連しており、その一因は「注意力の低下」である可能性が高い。規則的な朝食摂取は、メンタルヘルス介入の一環として有効かもしれません。

研究内容を対話で読む

遥(23歳・広告代理店勤務):「えっ、朝ごはん抜くだけでそんなにメンタルに影響あるの?」健人(24歳・大学院生・精神保健学専攻):「そうなんだよ。特に“注意力の低下”が、うつ症状の引き金になってる可能性が高いってさ。BIS-11っていう心理尺度で評価されてたよ」遥:「確かに最近ぼーっとすること多いかも……。朝ごはんって、もっと大事にしなきゃダメだね」

忙しいビジネスパーソンのための実践ガイド

  • 朝食は「集中力のスイッチ」だと意識する
  • 少量でもよいので“何か口に入れる”習慣をつける
  • タンパク質や複合炭水化物を取り入れる(例:卵・ヨーグルト・全粒パン)
  • 朝のルーチンに“5分の朝食タイム”を取り入れてみる
  • 朝食の質も重要なので、砂糖ばかりの菓子パンや清涼飲料は避ける

まとめ

遥さんは、その日から“ゆで卵と小さなバナナ”の朝食を始めました。「気分も頭も、なんだかスッキリする」。そんな小さな変化が、心の健康を支えてくれるかもしれません。あなたの“朝食習慣”、見直してみませんか?

関連論文ピックアップ

  • Breakfast consumption and mental health: a systematic review and meta-analysis of observational studies(Nutr Neurosci, 2020)→ 朝食とメンタルヘルスの関連を多角的に分析。若者で特に強い関連性。
  • Breakfast consumption and the risk of depressive symptoms: The Furukawa Nutrition and Health Study(Psychiatry Res, 2019)→ 朝食欠食が将来的なうつリスクを高める可能性を報告。
  • Eat or skip breakfast? The important role of breakfast quality for health-related quality of life(Int J Environ Res Public Health, 2018)→ 朝食の「質」もメンタルに影響を与えると示唆。

参考文献

  1. 1Wong SMY, Choi O, Suen YN, Hui CLM, Lee EHM, Chan SKW, Chen EYH (2025) Breakfast skipping and depressive symptoms in an epidemiological youth sample in Hong Kong: the mediating role of reduced attentional control. Frontiers in Psychiatry, 16:1574119. doi:10.3389/fpsyt.2025.1574119※ 本記事は医学的助言を目的としたものではありません。体調不良時は専門医への相談をおすすめします。

この記事を書いた人

岡本 賢

医師。愛育病院で小児科の臨床に立つかたわら、日経メディカルで連載。CrossFit Level 1 Trainer の資格を持ち、HYROX にも出場する。Business Athlete Club では、運動・睡眠・栄養の研究を、働く人の毎日の選択に訳して届けている。

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