Business Athlete Club
Part IV
栄養
24時間の燃料管理

食事は栄養素の足し算ではない。一日24時間の血糖・代謝・回復を設計する燃料計画である。第IV部は、判断と粘りを支える「食べ方の戦略」を、論文と臨床と自分の身体で検証する。

30秒で、持ち帰る。
  1. 0130年の食事パターンで、健康に老いる確率は約2倍に開く。短期のダイエットの話ではない。
  2. 02タンパク質は1日 1.6g/kg まで効く。それ以上は、追加投資にならない。
  3. 03Mediterranean / DASH / Planetary Health。「整った」パターンなら、どれを選んでもいい。
どこから読む。
3分
持ち帰る
Quick Take + 実は
10分
自分を試す
+ クイズ + シミュレータ
30分
深く理解する
+ 比較 + よくある質問 + 参考論文
From the data

Mediterraneanでも、DASHでも、Planetary Healthでもいい。整った食事を30年続けた人と、そうでない人で、健康に老いる確率は約2倍に開く。

Tessier 2025, Nature Medicine
数字の根拠を見る →
1.00×1.25×1.50×1.75×2.00×AHEI1.86×PHDI1.43×aMED1.41×DASH1.40×MIND1.37×hPDI1.36×EDIH⁻1.30×EDIP⁻1.28×ODDS OF HEALTHY AGING · Q5 vs Q1
この章で、学べること。
  1. 0130年続けられる、ひとつの食事のかたち
  2. 02タンパク質1.3g/kgという、線の意味
  3. 03血糖を上げない、昼の食べ方
  4. 04超加工食品との、つきあい方の現実線
  5. 05サプリメントが「効く5%」と、「効かない95%」の見分け方
実は。
30年同じ食事パターンを続けた人と、そうでない人で、健康に老いる確率はおおよそ2倍に開く。短期のダイエットの話ではない。
Tessier 2025, Nature Medicine(n=105,015)
少し、考えてみる。

1食でタンパク質を 80g 一気に摂ると、何g までが筋合成に使われる?

並べてみる。

卵 1個 vs 鶏胸肉 100g。タンパク質源として、どちらがコスパ良い?

A · 卵 1個
M サイズ 約 50g
  • タンパク質6〜7 g
  • 脂質5 g
  • コスト目安30 円
  • 調理時間3 分
B · 鶏胸肉 100g
皮なし、生で 100g
  • タンパク質23 g
  • 脂質1.5 g
  • コスト目安100 円
  • 調理時間10〜15 分
結論

1食20gの目標に対して、卵は3〜4個、鶏胸肉は100g弱が同じ働き。朝は卵、夜は鶏胸肉、と分けるのが現実的。

みんなが、気にしている。
  1. Q.01
    16時間断食(IF)は安全か?

    8時間以内に食事を寄せても、同カロリー制限と比べて12ヶ月時点で体重・体脂肪・代謝指標に有意差は出なかった。短期の手法としては成立するが、CR単独より優れるとは言えない。

  2. Q.02
    糖質制限、長期で寿命にどう?

    炭水化物50〜55%で死亡率が最も低いU字曲線。30%以下(極端な低糖質)も65%以上(高糖質)も寿命を縮める。

  3. Q.03
    朝食抜きは是か非か?

    朝食を食べる/食べないだけでは体重・心血管リスクに有意差なし。「朝食を食べる人の方が健康」というのは交絡(他の習慣の差)にすぎない。

  4. Q.04
    卵は1日何個まで?

    健康成人で1日1個までは心血管疾患リスクの上昇なし(HR 0.93、95%CI 0.82–1.05)。33の前向きコホートメタでも増分1個/日でリスク変化なし。アジア集団ではむしろ逆相関。

  5. Q.05
    プロテイン取りすぎのリスクは?

    健康な腎臓では高蛋白食(≥1.5g/kg/日)でもGFR変化に有意差なし。一方、筋合成効果は1.6g/kg/日付近で頭打ちになる(Morton 2018)。つまり腎機能上の心配より「効果が伸びない」のが取りすぎの本質。