スナップサマリー
- 適量のコーヒーは水と同等の水分補給効果がある
- 「コーヒー=脱水」の常識を覆す臨床データを提示
- カフェイン慣れしていない人は別の注意が必要
研究を読むきっかけ
「毎朝コーヒーを飲むのが日課。でも、水分補給には向いてないって聞いたけど…」営業職のケンタ(35歳)は、朝の通勤電車の中でふと思いました。一方、同僚のマリ(29歳)はヨガ好きで水筒持参派。「カフェインは利尿作用があるから水を飲んだ方がいいよ」とアドバイスをくれます。でも、ほんとにそう?「コーヒーは脱水を招く」という常識、最新の研究では見直されているようです
研究の紹介(論文情報)
- 英語
- 原題:No Evidence of Dehydration with Moderate Daily Coffee Intake: A Counterbalanced Cross-Over Study in a Free-Living Population
- 日本語訳:適度なコーヒー摂取で脱水の証拠は見られず:自由生活環境でのクロスオーバー試験
- ジャーナル:PLoS ONE
- 出版年:2014年
- 第一著者:Sophie C. Killer
- 最終
- 著者:Asker E. Jeukendrup
- 第一所属機関:バーミンガム大学・スポーツ運動科学部(英国) この研究は、日常的にコーヒーを飲んでいる50人の男性(3〜6杯/日)を対象に、水とコーヒーをそれぞれ3日間飲んでもらうクロスオーバー試験を実施。
体内の水分量(Total Body Water: TBW)や尿量、血液・尿の電解質など多面的な指標で、「脱水が起こるかどうか」を評価しました
研究の要旨(Abstract 全文)
重要性一般に「コーヒーは脱水を招く」と信じられているが、その根拠は不明瞭。 目的本研究は、コーヒーと水の水分補給効果を複数の指標で直接比較することを目的とした。 方法50人の男性が3日間の2つの試験に参加(1回は水、もう1回はカフェイン入りコーヒー)。摂取量は4mg/kgのカフェインを含むコーヒーまたは水(各200mL×4回)。体内水分(TBW)は重水(Deuterium Oxide)による測定。尿や血液の水分関連指標も分析した。 結果
- 試験開始前後でTBWに有意差なし
- 尿量、血液の電解質、浸透圧などにも有意差なし
- コーヒー摂取時にナトリウム排出量のみわずかに増加(p=0.02)
- 結論適量のコーヒーは、水と同等の水分補給効果を持つことが示唆された。
研究内容を対話で読む
ケンタ「やっぱりコーヒーって脱水するんじゃないの?」専門家・マリ(栄養学博士):「この研究では、3日間コーヒーだけを飲んでも、体内水分量や尿量に変化がなかったの。脱水の兆候は見られなかったわ。」
ケンタ「じゃあ、水代わりにコーヒー飲んでもいいの?」
マリ「あくまで“適量”でね。今回の試験は、普段からコーヒーを飲んでいる男性限定。カフェインに慣れていない人は注意が必要よ。」
忙しいビジネスパーソンのための実践ガイド
- 1日3〜4杯のブラックコーヒーは、水分補給として問題なし
- カフェインに慣れている人なら、コーヒーも「飲み物カウント」OK
- カフェインに敏感な人・高血圧の人は医師と相談を
- 運動前や汗をかく場面では、水も忘れずに
- 脱水の基準=体重の1〜3%減。体重管理も意識しよう
まとめ
ケンタはこれ以来、コーヒーを飲みながらも罪悪感がなくなりました「ちゃんと水分摂れてるんだ」と気づいたことで、朝の一杯がもっとおいしく感じられるようになったのです。読者のあなたも、「コーヒー=脱水」の常識を一度疑ってみませんか?
関連論文ピックアップ
- Caffeine ingestion and fluid balanceJournal of Applied Physiology, 2005
- カフェインの摂取と尿量の関係を定量的に評価
- Black tea is not significantly different from water in hydrationBritish Journal of Nutrition, 2011
- 紅茶も水分補給に有効とされた研究
- Caffeine and exercise performance: an updateSports Medicine, 1993
- カフェインの利尿作用とパフォーマンスへの影響を整理
参考文献
- 1Killer SC, Blannin AK, Jeukendrup AE (2014)No Evidence of Dehydration with Moderate Daily Coffee Intake: A Counterbalanced Cross-Over Study in a Free-Living Population.PLoS ONE 9(1): e84154. doi:10.1371/journal.pone.0084154









