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いつまでToDoリストを作り続けるのか?スマホスタンドと音声入力で“後回し”を断ち切る医療現場の新提案

プロローグ:増え続ける付箋と消化されない山

カルテ入力の合間に視線を上げると、デスクには付箋が幾重にも重なっています。「明日調べる」「次回のカンファで確認」「紹介状、今週中に仕上げる」。どれも重要なはずですが、気づけば今日も夕方。メモは増える一方で、学習や調べ物は「いつか」のまま後回しです。タスク管理アプリのToDoリストも更新されないまま山積みになり、「いったい、いつになったら片づくのか」とため息をつきたくなる瞬間が多々あります。

医療現場の“時間神話”:なぜ後回しが当たり前になるのか

外来、病棟ラウンド、検査オーダー、学会準備……。医療現場は常に予定が詰まっています。ですが書類作成や文献検索といった細かなタスクが消えるわけではありません。「明日まとめて」「時間ができたら一気に処理しよう」と先送りしているうちに、雪だるま式にタスクが膨れ上がり、夜遅くまで残業する羽目になります。米国で行われた調査によると、医師は勤務時間の約半分を電子カルテや事務作業に費やしていると報告されています1。本来、患者さんと向き合うべき時間が、後回しタスクに奪われている現実があるのです。

“後回し”にしないための小さな一歩:スマホスタンドの活用

カルテ入力と同時に検索する

デスクでカルテを入力するとき、横にスマホを立てかけておくだけで状況が変わります。PC画面を切り替えずに、スマホで論文アプリやブラウザをサッと操作できるからです。疑問が浮かんだ瞬間に検索し、その場でメモに反映すれば、夜にまとめて作業する必要が減ります。ある医師は「学会用の文献検索を昼休みや小休憩の数分で進めるようにしたら、週末の負担が大幅に減りました」と話していました。

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回診やカンファレンスでも即調べる:“即処理”が日常を変える

音声入力で手がふさがっていても大丈夫

移動中に思いついたタスクやアイデアを、その場で音声入力アプリに吹き込むだけで忘却を防げます。医学用語の認識精度も向上しており、タイプするより早くメモが残せるのが利点です。「回診が終わるころにはメモが整理されているので、あとで思い出そうとして悩まなくなりました」という声も聞かれます。私自身は、ERでの呼び出し前にエレベーターで音声入力して壁打ちして確認しつつ、自身のまとめたnotionや電子書籍でダブルチェック以上のことをしています。

カンファレンスで宿題を残さない

カンファレンス中、「次回までに調べておきます」と言う前に、その場でスマホやタブレットから論文やガイドラインを検索し共有する方法もあります。院内の規定を守りつつ「今、確認してみますね」と提案すれば、議論がその場で深まり、宿題が減ります。こうした“即処理”を積み重ねることで、タスクの山を着実に切り崩せます。

“あとで”をなくせば、本当にやりたいことが見えてくる

ToDoリストは便利ですが、リスト化だけで満足し先送りを続けてしまうと逆効果です。スマホスタンドや音声入力による“ながら作業”は、後回しを減らし、夜や週末の「まとめて作業」を小さくします。その結果、生まれた余白を学習や研究、患者さんとのコミュニケーションに充てられるようになります。

おわりに:明日の「あとで」を減らすために、今できること

忙しい現場でも、デスクにスマホスタンドを置く、音声入力を試す:ほんの小さな工夫で「今できること」を増やせます。“あとで”を減らすことは、タスク消化だけでなく、医師自身の心の余裕にもつながります。まずは今日、スマホスタンドを用意してみませんか。その一歩が、ToDoリストの山に風穴を開け、あなたの時間を取り戻すきっかけになるはずです。

今、この瞬間にできる“小さな即処理”を始めて、明日の「あとで」から自由になりましょう。

参考文献

  1. 1Sinsky C, Colligan L, Li L, et al. Allocation of Physician Time in Ambulatory Practice: A Time and Motion Study in 4 Specialties. Ann Intern Med. 2016;165(11):753-760. doi:10.7326/M16-0961

この記事を書いた人

岡本 賢

医師。愛育病院で小児科の臨床に立つかたわら、日経メディカルで連載。CrossFit Level 1 Trainer の資格を持ち、HYROX にも出場する。Business Athlete Club では、運動・睡眠・栄養の研究を、働く人の毎日の選択に訳して届けている。

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