栄養No.1215分で読めます

超加工食品を、カロリーだけで片づけない

超加工食品と食環境を示す文字なしBACサムネイル

超加工食品の話をすると、すぐカロリーの話になる。

太るのは食べすぎだから。カロリーが同じなら同じでしょ。そう言いたくなる気持ちはわかる。エネルギー収支は大事です。

でも、それだけで片づけるには、データが増えすぎている。

2025年の Systematic Reviews に出たメタ解析では、NOVA分類で定義された超加工食品と全死亡リスクの関係を見ている。前向きコホート18研究、参加者は約115万人。もっとも摂取が多い群は、少ない群に比べて全死亡リスクが15%高かった。さらに、超加工食品の割合が10%増えるごとに、全死亡リスクも上がる方向だった。

もちろん、これは観察研究です。超加工食品を食べる人は、運動、睡眠、所得、喫煙、ストレス、医療アクセスなど、ほかの条件も違う。どれだけ調整しても、完全には消せない。

それでも面白いのは、超加工食品が単なるカロリーの箱ではないことです。安い。保存がきく。食べやすい。甘い、脂っこい、やわらかい。マーケティングも強い。気づいたら食事の中心に入り込む。栄養素というより、行動を設計してくる食品群です。

ここを意志力で戦うと負けやすい。

で、どうするか。

  • 家に置く量を減らす。
  • 職場の非常食を変える。
  • 菓子パンやスナックではなく、ナッツ、ヨーグルト、ゆで卵、果物、プロテインを先に置く。
  • 忙しい日のコンビニでは、先にたんぱく質と食物繊維を決める。

超加工食品をゼロにする必要はない。

でも、忙しい日の初期設定にしてはいけない。そこがいちばん危ない。

今週の1行。超加工食品は、栄養ではなく環境として見る。

参考文献

  1. 1Ultra-processed foods and all-cause mortality, Syst Rev 2025. pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40033461
  2. 2Ultra-Processed Foods and Cardiometabolic Health, Curr Nutr Rep 2025. pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41065955

この記事を書いた人

岡本 賢

医師。愛育病院で小児科の臨床に立つかたわら、日経メディカルで連載。CrossFit Level 1 Trainer の資格を持ち、HYROX にも出場する。Business Athlete Club では、運動・睡眠・栄養の研究を、働く人の毎日の選択に訳して届けている。

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