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会議が増えるほど成果が下がる?「ミーティング負荷のパラドックス」働く人の生産性を高める会議と、消耗させる会議の分かれ目

元になった研究Business Horizons・2025年

スナップサマリー

1 会議は「多いほど良い」わけではなく、一定量を超えると逆効果になる2 会議参加・エンゲージメント・創造性は「逆U字型」で変化する3 オンライン会議は負荷を強め、個人特性(誠実性)は悪影響を和らげる可能性あり

研究を読むきっかけ

40代、管理職。朝から夕方まで会議が詰まり、気づけば「今日、自分は何を生み出したんだろう」と感じる日が増えてきた。会議は本来、仕事を前に進めるためのもののはずなのに、なぜこんなにも消耗するのか。そんな違和感に、真正面から答えようとしたのが今回紹介する研究です。「会議は役に立つが、増えすぎると逆に成果を下げる」:この一見矛盾した現象を、研究者たちは「ミーティング負荷のパラドックス」と名付けました。

研究の紹介(論文情報)

研究の要旨(かみ砕き版)

この研究では、199名のフルタイム労働者を対象に実地調査を行いました。注目したのは「会議負荷(meeting load)」と仕事の成果・心理状態の関係です。結果はシンプルですが重要です。会議が増えると、最初は参加意欲やエンゲージメント、創造的パフォーマンスが向上します。しかし、ある水準を超えると、それらは低下に転じることが示されました。この関係は「逆U字型(inverted U-shaped)」と呼ばれ、「適度な会議はプラス、過剰な会議はマイナス」という構造を意味します。さらに、

  • オンライン会議は、この悪影響を強める
  • 個人の誠実性(conscientiousness)が高い人は、悪影響がやや緩和されるという調整効果も確認されました。

研究内容を対話で読む

主人公「会議って、減らせばいいって話でもないんですね?」

専門家「その通りです。この研究が示したのは“最適量”の存在です。会議は情報共有や調整に役立ちますが、増えすぎると集中力や創造性を奪います。」

主人公「オンライン会議は特にしんどい気がします…」

専門家「それもデータ通りです。オンラインは認知負荷が高く、会議疲れを加速させやすい。だからこそ“目的の明確化”がより重要になります。」

実践ガイド(研究を“行動”に変える)

今日からできる3つのヒント

1 会議の目的を1行で言語化する 決まらない会議は、負荷だけを積み上げます。2 オンライン会議は短く・少なく 対面よりも集中資源を消耗する前提で設計を。3 「会議ゼロ時間帯」を意図的につくる 創造性や深い思考は、会議の外で生まれます。

まとめ

この研究が示した最大のポイントは、会議は善でも悪でもなく「量と設計」がすべてだということです。増やせば成果が出るわけでも、減らせば解決するわけでもない。だからこそ、自分とチームにとっての「ちょうどいい会議量」を見直すことが、働く身体と頭を守る第一歩になるのかもしれません。

関連論文ピックアップ

  • Too many meetings? Examining meeting overload:会議過多と疲労の関係
  • Virtual meeting fatigue:オンライン会議疲れの心理メカニズム
  • Employee engagement and meeting design:会議設計とエンゲージメント

参考文献

  1. 1Romney, A. C., Allen, J. A., & Heydarifard, Z. (2025).Meeting load paradox: Balancing the benefits and burdens of work meetings.Business Horizons, 68, 33–43.

この記事を書いた人

岡本 賢

医師。愛育病院で小児科の臨床に立つかたわら、日経メディカルで連載。CrossFit Level 1 Trainer の資格を持ち、HYROX にも出場する。Business Athlete Club では、運動・睡眠・栄養の研究を、働く人の毎日の選択に訳して届けている。

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