スナップサマリー
- 人工甘味料の摂取量が多い群では、8年間で言語流暢性が−0.040低下し、認知機能全体も有意に低下(β=−0.024, 95%CI −0.040〜−0.008)しました。
- 特に60歳未満や糖尿病の有無にかかわらず影響が観察され、人工甘味料と糖アルコールの長期摂取が脳の老化リスクを高める可能性があります。
- 食事調査は自己申告であり、交絡因子の影響を完全には排除できず、再現性の検証が必要です。
研究を読むきっかけ
世界的に「ゼロカロリー飲料」や「低糖質食品」の人気が高まり、人工甘味料を日常的に摂る人は増えています。日本でも20〜50代の約4割が定期的に人工甘味料入り飲料を利用しているとの報告があります。営業職の佐藤さん(45歳)は、出張や外回りが多く、糖分を控えるために毎日ゼロカロリー炭酸飲料を愛飲していました。体重管理には役立っていると感じつつ、「脳への影響は大丈夫なのかな?」と不安を抱えていました。今回紹介する研究は、まさに「人工甘味料と脳の健康」に焦点を当てたものです。私自身も日常的に摂取しているので、他人事ではありません。
研究の紹介(論文情報)
研究の要旨(Abstract)
8年間の追跡で、人工甘味料の摂取量が多い群では言語流暢性と全体的な認知機能の低下が加速しました。例えば60歳未満では、言語流暢性スコアが−0.040(95%CI −0.064〜−0.016, p
研究内容を対話で読む
佐藤さん「ゼロカロリー飲料って、体にはいいと思ってたけど…脳には悪いんですか?」
専門家「この研究では、人工甘味料を多く摂る人ほど8年間で認知機能の低下が早い傾向が出ました。つまり“飲みすぎ注意”です。」
佐藤さん「特にどの人工甘味料が問題なんでしょう?」
専門家「アスパルテーム、サッカリン、アセスルファムKなどの人工甘味料、さらにエリスリトールやソルビトールなどの糖アルコールで影響がありました。つまり“一部の甘味料にリスクが集中”しています。」
佐藤さん「でも糖尿病の人は甘味料を使った方がいいんじゃないですか?」
専門家「糖尿病の有無に関わらず影響はありました。血糖コントロールには役立つ一方で、脳への長期的な影響には注意が必要です。つまり“短期メリットと長期リスクを天秤に”かけるべきです。」
佐藤さん「副作用とか有害事象はありましたか?」
専門家「臨床試験ではなく観察研究なので、有害事象の直接的な報告はありません。ただし、自己申告の偏りや未測定の生活習慣が影響している可能性は残ります。つまり“安全性はまだ確定できない”ということです。」
忙しいビジネスパーソンの実践ガイド
- 水を基本に:人工甘味料入り飲料を毎日飲む人は、まず半分を水やお茶に置き換えましょう。
脳の健康リスクを減らす一歩。
期間今週から。
- ラベルを確認:原材料に「アスパルテーム」「サッカリン」などがあれば摂取頻度を減らす。
リスクを自覚する習慣。
期間毎回の買い物で。
- 自然な甘みを活用:フルーツやヨーグルトで甘みをとる。
栄養も摂れて一石二鳥。
注意過剰な果糖摂取は控える。
期間1日1回の間食から。
まとめ
この研究では、人工甘味料摂取が8年間で認知機能の低下を加速させることが示されました(例:言語流暢性 −0.040, p
関連論文ピックアップ
・Artificial sweeteners and risk of stroke and dementia:Stroke, 2017:人工甘味料と脳卒中・認知症リスクの関連を報告。pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28336576・Sugar substitutes and metabolic health — Annual Review of Nutrition, 2020:代替甘味料が代謝に与える影響を包括的に解説。
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32407305・Erythritol and cardiovascular risk:Nature Medicine, 2023:エリスリトールと心血管イベントの関連を報告。
参考文献
- 1Gonçalves, N. G., Martinez-Steele, E., Lotufo, P. A., Bensenor, I., Goulart, A. C., Barreto, S. M., Giatti, L., Faria, C. P., Molina, M. C. B., Caramelli, P., Marchioni, D. M., & Suemoto, C. K. (2025). Association Between Consumption of Low
- 2and No-Calorie Artificial Sweeteners and Cognitive Decline: An 8-Year Prospective Study. Neurology, 105(7). doi.org/10.1212/WNL.0000000000214023









