総合論文紹介

超加工食品vs低加工食品、同じ栄養指針でも減量効果は違う?

スナップサマリー

  • 低加工食品(MPF)食は超加工食品(UPF)食より体重減少が

01%多い(p=0.024)

  • 肥満のあるビジネスパーソンの減量や脂肪減に有用な可能性
  • 効果は8週間の短期試験での結果。

長期や他条件での検証が必要1. 研究を読むきっかけ近年、英国では成人の約2/3が肥満または過体重とされ、超加工食品の摂取がその一因と指摘されています。40代の営業職Aさんは、会食やコンビニ食が多く、気付けばBMIは32に。出張先でも簡単に食べられるUPF頼みの生活です。今回、英国の最新RCTが、同じ栄養ガイドラインに沿っていても「食品の加工度」が体重や代謝にどう影響するのかを検証しました。

研究の紹介(論文情報)

原題/

研究の要旨(Abstract)

成果MPF食はUPF食より体重減少が有意に大きく(−2.06% vs −1.05%、Δ=−1.01%、p=0.024)、脂肪量や中性脂肪もより減少。 意義:同じ栄養基準でも、加工度を下げることで減量と脂肪減に追加効果がある可能性。 注意:8週間の短期・特定条件下の結果で、長期的影響や他集団での再現性は不明。 成果:脂肪量(−0.98kg, p=0.004)、体脂肪率(−0.76%, p=0.010)、中性脂肪(−0.25mmol/L, p=0.004)はMPF食が有意に優れる。 メカニズム仮説:MPF食はエネルギー密度が低く、摂取カロリーも約327kcal/日少なかった。

  • 限界:参加者の多くが女性で、高UPF摂取者に限られ、一般化に注意。

研究内容を対話で読む

Aさん「同じ栄養バランスでも、超加工食品を減らすだけで体重って変わるんですか?」

専門家「はい。この試験ではMPF食の方が8週間で1%多く体重が減り、脂肪量も減りました。つまり、加工度を下げるだけでも差が出る可能性があります。」

Aさん「栄養価は同じでも差が出る理由は?」

専門家「UPFはエネルギー密度が高く、食べるスピードも速くなりがちです。これがカロリー摂取増につながります。つまり、加工度は食行動に影響します。」

Aさん「安全性はどうなんですか?」

専門家「どちらも大きな有害事象はありませんでしたが、UPF食では便秘や胃もたれ、疲労が多く報告されました。つまり、体への負担はUPF食の方がやや高いかもしれません。」

忙しいビジネスパーソンのための実践ガイド

昼食は低加工メニューを選ぶ惣菜パンや加工肉サンドより、サラダ+魚や豆料理を。加工度を下げるだけで摂取カロリーが減ります。まずは週3回から。 主食は白米より雑穀や全粒パン食物繊維が多く、腹持ちが良くなります。8週間続けると体脂肪減少につながる可能性。 スナック菓子・甘味飲料は控えめにUPFの代表格で、エネルギー密度が高い食品。週2回以内を目標に。

まとめ

低加工食品(MPF)食は、超加工食品(UPF)食と同じ栄養基準でも、8週間で体重・脂肪量減少が有意に大きかった(Δ −1.01%、p=0.024)。まずは昼食と間食の加工度を下げる一歩から始めてみませんか?

関連論文ピックアップ

・Hall, K. D., et al. (2019) Ultra-processed diets cause excess calorie intake and weight gain: an inpatient randomized controlled trial of ad libitum food intake.

Cell Metabolism. 30(1):67–77. pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31105044/・Hamano, S., et al. (2024) Ultra-processed foods cause weight gain and increased energy intake associated with reduced chewing frequency: a randomized, open-label, crossover study.

Diabetes Obesity Metabolism. 26(11):5431–5443. pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39078358 10. ハッシュタグ#超加工食品 #低加工食品 #ダイエット #肥満予防 #RCT #栄養学 #食生活改善 #中性脂肪 #食行動 #公衆衛生

参考文献

  1. 1Dicken, S. J., et al. (2025). Ultraprocessed or minimally processed diets following healthy dietary guidelines on weight and cardiometabolic health: a randomized, crossover trial. Nature Medicine. doi.org/10.1038/s41591-025-03842-0PubMed: pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/?term=10.1038%2Fs41591… 本記事は医学的助言ではありません。健康状態や服薬中の方は、開始前に医療専門職へご相談ください。

この記事を書いた人

岡本 賢

医師。愛育病院で小児科の臨床に立つかたわら、日経メディカルで連載。CrossFit Level 1 Trainer の資格を持ち、HYROX にも出場する。Business Athlete Club では、運動・睡眠・栄養の研究を、働く人の毎日の選択に訳して届けている。

Business Athlete Club について