スナップサマリー
- 低加工食品(MPF)食は超加工食品(UPF)食より体重減少が1.01%多い(p=0.024)
- 肥満のあるビジネスパーソンの減量や脂肪減に有用な可能性
- 効果は8週間の短期試験での結果。長期や他条件での検証が必要
研究を読むきっかけ
近年、英国では成人の約2/3が肥満または過体重とされ、超加工食品の摂取がその一因と指摘されています。40代の営業職Aさんは、会食やコンビニ食が多く、気付けばBMIは32に。出張先でも簡単に食べられるUPF頼みの生活です。今回、英国の最新RCTが、同じ栄養ガイドラインに沿っていても「食品の加工度」が体重や代謝にどう影響するのかを検証しました。
研究の紹介(論文情報)
- 原題/
- 邦題:Ultraprocessed or minimally processed diets following healthy dietary guidelines on weight and cardiometabolic health: a randomized, crossover trial/「健康的食事指針に沿った超加工食品vs低加工食品の体重・代謝影響:無作為化クロスオーバー試験」
- 掲載誌・年:Nature Medicine, 2025年/DOI 10.1038/s41591-025-03842-0/PubMed
- 著者:Samuel Dicken(第一)、Rachel Batterham(最終)/University College London, 英国
- デザイン:2×2クロスオーバーRCT(無作為化、対照給餌、盲検化)
- 対象:n=55(ITT解析50)、年齢43.2歳、BMI 25〜介入:8週間の低加工食品(MPF)食 vs 超加工食品(UPF)食(いずれも英国Eatwell Guide準拠)/間に4週間のウォッシュアウト
- プラセボ/比較群:交差デザインで相互比較
- 主要アウトカム:体重変化率(%WC)
- 副次アウトカム:体組成、血圧、血中脂質、血糖、食欲関連指標など
- 登録番号:NCT05627570/
- 資金:医療系チャリティ・NGO/
- COI:なし
研究の要旨(Abstract)
- 成果:MPF食はUPF食より体重減少が有意に大きく(−2.06% vs −1.05%、Δ=−1.01%、p=0.024)、脂肪量や中性脂肪もより減少。
- 意義:同じ栄養基準でも、加工度を下げることで減量と脂肪減に追加効果がある可能性。
- 注意:8週間の短期・特定条件下の結果で、長期的影響や他集団での再現性は不明。
成果脂肪量(−0.98kg, p=0.004)、体脂肪率(−0.76%, p=0.010)、中性脂肪(−0.25mmol/L, p=0.004)はMPF食が有意に優れる。 メカニズム仮説:MPF食はエネルギー密度が低く、摂取カロリーも約327kcal/日少なかった。
- 限界:参加者の多くが女性で、高UPF摂取者に限られ、一般化に注意。
研究内容を対話で読む
Aさん「同じ栄養バランスでも、超加工食品を減らすだけで体重って変わるんですか?」
専門家「はい。この試験ではMPF食の方が8週間で1%多く体重が減り、脂肪量も減りました。つまり、加工度を下げるだけでも差が出る可能性があります。」
Aさん「栄養価は同じでも差が出る理由は?」
専門家「UPFはエネルギー密度が高く、食べるスピードも速くなりがちです。これがカロリー摂取増につながります。つまり、加工度は食行動に影響します。」
Aさん「安全性はどうなんですか?」
専門家「どちらも大きな有害事象はありませんでしたが、UPF食では便秘や胃もたれ、疲労が多く報告されました。つまり、体への負担はUPF食の方がやや高いかもしれません。」
忙しいビジネスパーソンのための実践ガイド
昼食は低加工メニューを選ぶ惣菜パンや加工肉サンドより、サラダ+魚や豆料理を。加工度を下げるだけで摂取カロリーが減ります。まずは週3回から。 主食は白米より雑穀や全粒パン食物繊維が多く、腹持ちが良くなります。8週間続けると体脂肪減少につながる可能性。 スナック菓子・甘味飲料は控えめにUPFの代表格で、エネルギー密度が高い食品。週2回以内を目標に。
まとめ
低加工食品(MPF)食は、超加工食品(UPF)食と同じ栄養基準でも、8週間で体重・脂肪量減少が有意に大きかった(Δ −1.01%、p=0.024)。まずは昼食と間食の加工度を下げる一歩から始めてみませんか?
関連論文ピックアップ
・Hall, K. D., et al. (2019) Ultra-processed diets cause excess calorie intake and weight gain: an inpatient randomized controlled trial of ad libitum food intake.
Cell Metabolism. 30(1):67–77. pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31105044・Hamano, S., et al. (2024) Ultra-processed foods cause weight gain and increased energy intake associated with reduced chewing frequency: a randomized, open-label, crossover study.
Diabetes Obesity Metabolism. 26(11):5431–5443. pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39078358
参考文献
- 1Dicken, S. J., et al. (2025). Ultraprocessed or minimally processed diets following healthy dietary guidelines on weight and cardiometabolic health: a randomized, crossover trial.
- 2Nature Medicine. doi.org/10.1038/s41591-025-03842-0PubMed: pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/?term=10.1038%2Fs41591…









