導入:夜勤明け、カップ麺をすする彼の不安な朝
看護師として夜勤を終えた田中さん(29)は、いつものように朝6時にナースステーションを出ると、寮に戻る途中でコンビニに立ち寄った。「夜勤の後ってお腹空くよね」そうつぶやきながら、彼はカップ麺とおにぎりを手に取る。夜勤明けの朝食は、もはや習慣になっていた。でもふと気づく。「これって体に悪いのかな……?」仕事は好き。でも、将来の健康はもっと大切だ。そんな彼が帰宅後にスマホで検索したのは、「夜勤 食事 時間 健康」。ヒットしたのは、2025年にNature Communicationsで発表された最新の研究だった
研究の紹介:食べる「時間」がリスクを変える?
田中さんが読んだのは、夜勤中の食事時間と心血管リスクの関係を調べた論文。以下がその研究の基本情報だ
- 英語
- タイトル:Daytime eating during simulated night work mitigates changes in cardiovascular risk factors: secondary analyses of a randomized controlled trial
- 日本語
- タイトル:模擬夜勤中の昼間の食事が心血管リスク因子の変化を軽減する:無作為化比較試験の二次解析
- ジャーナル名・
- 出版年:Nature Communications, 2025年
- 第一著者・最終
- 著者:Sarah L. Chellappa, Frank A.J.L. Scheer
- 第一所属機関:Brigham and Women’s Hospital, Boston, MA, USA
研究の要旨
背景
夜勤などの不規則な生活は、心血管リスクを高めることが知られています。動物研究では、食事の時間が健康に大きく影響することが示されてきましたが、人間での実証は少ないのが現状です。
方法
健康な若年者(18〜30歳)20名を対象に、模擬夜勤環境で以下の2群に分けて比較:
- NMC群:昼夜の両方で食事
- DMI群:昼間のみ食事心拍変動(pNN50、RMSSD、LF/HF)、PAI-1、血圧などを前後で測定。
結果
- NMC群(昼夜食):心拍変動が悪化、PAI-1増加pNN50:25.7%減(pFDR=0.008)
- RMSSD:14.3%減(pFDR=0.02)
- LF/HF:5.5%増(pFDR=0.04)
- PAI-1:23.9%増(pFDR=0.04)
- DMI群(昼のみ食):変化なし
- 血圧:DMI群のみ6〜8%の有意な低下(P=0.005, 0.001)
- 心拍・コルチゾール:両群とも有意差なし
研究結果
:医師との対話でわかる「夜勤の食べ方」
医師・吉岡先生のコメント田中さん:「夜勤中ってお腹空くけど、食べない方がいいんですか?」吉岡先生:「完全に食べない必要はありませんが、できるだけ昼間に食事時間を固定したほうが、心臓には良いようですね」田中さん:「でも、夜中に空腹になると集中力が…」吉岡先生:「そういうときはカロリー控えめで消化の良い軽食を選ぶのが現実的。体内時計を乱さない工夫が大切ですよ」
忙しい夜勤者のための実践ガイド
この研究を踏まえた、夜勤明けでも健康を守る食生活のヒントはこちら
- 実践ポイント
- ⏰ 原則は“昼間にまとめて食べる”
- 夜勤中の食事はできるだけ軽めに(スープやヨーグルトなど)
- 食事時間を毎日なるべく一定に保つ-
同僚と「食べる時間」も話題にしてみよう
まとめ:田中さんの変化
数週間後、田中さんは夜勤前後の食事スケジュールを見直し、昼にしっかり、夜は軽くを意識するようになった。「以前より、夜勤明けのだるさが減った気がする」そう語る田中さんの朝は、もうコンビニのカップ麺ではなく、持参したおにぎりと味噌汁になっていた。
あなたの「夜勤ごはん」、見直してみませんか? コメントでぜひ教えてください!
参考文献
- 1Chellappa SL, et al. Daytime eating during simulated night work mitigates changes in cardiovascular risk factors: secondary analyses of a randomized controlled trial. Nat Commun. 2025.









