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第3回:頭痛の種類【緊張型・片頭痛・群発頭痛】を徹底解説

■ 頭痛の全体像

一次性頭痛と二次性頭痛

  • 一次性頭痛器質的な病変(脳腫瘍、脳出血など)がなく、頭痛そのものが主病態とされるもの。緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛が代表例。
  • 二次性頭痛くも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎、高血圧緊急症など他疾患が原因で起こる頭痛。突然の激痛(サンダークラップ頭痛)や神経脱落症状を伴う場合などは、早急な精査(CT/MRIなど)が必要。

■ 1. 緊張型頭痛(Tension-type Headache)

(1) 特徴と症状

  • 頭痛の質後頭部〜側頭部を中心に「ギューッと締めつけられるような痛み」。両側性に生じることが多い。
  • 発症様式比較的軽度〜中等度の痛みで、日常生活に支障をきたすほど重篤になることは少ない。長時間同じ姿勢やストレスが誘因で起こりやすい。

(2) 病態生理

  • 筋緊張と血行不良肩や首の筋肉が凝り固まることで血行障害を招き、痛みを引き起こす。
  • 中枢感作慢性的な筋膜痛が脳や脊髄の痛覚過敏(中枢感作)を助長し、持続的な頭痛をもたらす。
  • 精神的ストレスストレスホルモン増加による交感神経優位が筋緊張をさらに悪化させる。

(3) 対処と治療

  • セルフケア首や肩のストレッチ、温める(蒸しタオル・入浴など)。
  • 適度な運動(ウォーキングや軽い筋トレ)。
  • 姿勢改善(デスク環境を見直す)。
  • 薬物療法軽度の場合:市販の鎮痛薬(NSAIDs)や筋弛緩薬を頓服的に使用。
  • 慢性化している場合:抗うつ薬(四環系、SNRIなど)を少量長期投与。
  • 生活習慣の見直しストレスマネジメント(マインドフルネス、認知行動療法など)。
  • 十分な睡眠を確保し、噛みしめ癖などがある場合は歯科相談も検討。

■ 2. 片頭痛(Migraine)

(1) 特徴と症状

  • 頭痛の質ズキンズキンと脈打つ拍動性の痛み。片側性が多いが、両側性になる場合も。
  • 随伴症状光過敏・音過敏、吐き気・嘔吐。前兆(閃輝暗点など視覚異常、感覚異常)が起こるタイプもある。
  • 発作様式発作の頻度や継続時間は個人差が大きく、数時間〜3日程度まで様々。日常生活や仕事に支障をきたすほどの激痛になるケースも多い。

(2) 病態生理

  • 三叉神経血管説三叉神経終末から放出される神経ペプチド(CGRPなど)が血管を拡張し、神経性炎症を誘発するメカニズム。
  • 遺伝的素因家族内発症が多く、遺伝要因も関与していると考えられる。

(3) 対処と治療

  • 急性期治療トリプタン製剤(スマトリプタンなど)。
  • NSAIDs(ロキソプロフェン、エトドラクなど)との併用も。
  • 制吐薬(ドンペリドンなど)を併用する場合がある。
  • 予防療法β遮断薬(プロプラノロール)、カルシウム拮抗薬、抗うつ薬(SNRI、TCA)など。
  • 近年はCGRP受容体拮抗薬やCGRPモノクローナル抗体など新規治療薬が登場。
  • セルフケア規則正しい生活リズム(睡眠・食事)。
  • 光刺激を避ける(サングラス、部屋を暗くする)。
  • 発作の前兆を感じたら早めに薬物を服用。

■ 3. 群発頭痛(Cluster Headache)

(1) 特徴と症状

  • 激烈な痛み片側の眼窩(目の奥)周辺を中心に起こり、発作時は耐えがたいほどの痛みを訴えることが多い。
  • 随伴症状流涙、鼻汁、鼻詰まりなど自律神経症状が顕著。眼瞼下垂や結膜充血がみられることも。
  • 発作パターン群発期と呼ばれる数週間〜数か月の間、ほぼ毎日のように発作が起こり、その後数か月〜数年は寛解するサイクルを繰り返す。

(2) 病態生理

  • 自律神経系の異常視床下部の機能異常や三叉神経自律神経反射の亢進が示唆される。
  • ホルモン調整の乱れ発作が一定周期で起こるため、体内時計やホルモン分泌の関与も考えられる。

(3) 対処と治療

  • 急性期治療高濃度酸素吸入(7L〜10L/分を15分程度)。
  • トリプタン製剤の注射や点鼻が有効。
  • 予防療法ベラパミル(カルシウム拮抗薬)やリチウム、ステロイドなど。
  • 注意点一般的な鎮痛薬(NSAIDs)は効果が乏しい場合が多い。
  • 発作の強烈さから精神的ストレスも大きく、メンタルケアが重要。

■ 危険な頭痛のレッドフラッグ

  • 突然の激痛(サンダークラップ頭痛)→ くも膜下出血を疑う急性激痛。救急受診が必要。
  • 発熱・項部硬直→ 髄膜炎・脳炎の可能性。早急な診察・検査が要る。
  • 体重減少・倦怠感が続く頭痛→ 側頭動脈炎などを除外する必要あり。
  • 神経脱落症状(視力低下、片麻痺など)→ 脳腫瘍や脳梗塞を疑い、画像診断が望ましい。

■ 次回予告

次回の「第4回:デスクワークとエルゴノミクス――姿勢改善で痛みを防ぐ」では、デスク環境や姿勢調整の実践法を詳しく解説します。

この記事を書いた人

岡本 賢

医師。愛育病院で小児科の臨床に立つかたわら、日経メディカルで連載。CrossFit Level 1 Trainer の資格を持ち、HYROX にも出場する。Business Athlete Club では、運動・睡眠・栄養の研究を、働く人の毎日の選択に訳して届けている。

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