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コーヒーで眠る脳が覚醒?睡眠中の脳活動がカフェインで変わる話

研究を読むきっかけ

「最近、寝ても疲れが取れないんだよね…」と、オフィスでため息をつくのは35歳のマーケティングマネージャー、ユウジさん。彼は夕方のカフェイン摂取が日課だが、睡眠の質には自信がない。そんなユウジさんに、「実は、コーヒーってただ眠れなくなるだけじゃなく、睡眠中の脳の動きにも影響するらしいよ」と話すのは、友人で神経科学を学ぶ大学院生のアキラくん。果たして、カフェインは脳にどんな影響を与えるのか?そしてそれは、年齢によって変わるのか?最新の研究が明かす驚きの事実とは。

研究の紹介(論文情報)

  • 英語
  • 原題:Caffeine induces age-dependent increases in brain complexity and criticality during sleep
  • 邦題訳:カフェインは睡眠中の脳の複雑性と臨界性を年齢依存的に高める
  • ジャーナル名・
  • 出版年:Communications Biology, 2025年
  • 第一著者:Philipp Thölke
  • 最終
  • 著者:Karim Jerbi
  • 第一所属機関:Université de Montréal(モントリオール大学・カナダ)研究の目的は、カフェイン摂取が睡眠中の脳の電気活動(EEG)に与える影響を明らかにすること。特に「脳の複雑性」や「臨界性(criticality)」に注目した解析を行い、年齢差も考慮したデータを用いて検証された。

研究の要旨(Abstract 全文)

重要性

カフェインは世界で最も広く使われている精神刺激薬であり、覚醒や集中力の向上に効果があるが、睡眠中の脳に与える影響は未解明な部分が多い。

目的

カフェイン摂取が睡眠中の脳の複雑性と臨界性にどう影響するかを調べ、年齢による差も検証する。

方法

40名(若年者20–27歳、壮年者41–58歳)に200mgのカフェインまたはプラセボを投与。睡眠中のEEGデータを解析し、複雑性(エントロピーやLZc)や臨界性指標(DFAスケーリング指数、1/fスロープ)を測定。

結果

  • カフェインはNREM睡眠中に脳の複雑性を顕著に増加させた
  • 脳活動が臨界点に近づくような変化(1/fスロープのフラット化など)が観察された
  • REM睡眠では、若年層においてのみ顕著な変化があった

結論

カフェインは睡眠中においても脳をより覚醒に近い状態に導くことがわかり、年齢によりその影響が変化することも示された。

研究内容を対話で読む

ユウジ「寝る前のコーヒーがやっぱりまずかったのか…でも単に眠りが浅くなるだけじゃないってこと?」アキラ「うん、この研究によると、カフェインは脳の活動を複雑にして、睡眠中でも“起きてる時に近い状態”にしちゃうみたい」ユウジ「それっていいことなの?悪いことなの?」アキラ「一概には言えないけど、“脳の臨界状態”っていう情報処理に最適なバランスに近づくんだ。ただし、睡眠の質が下がる可能性もあるから要注意。特に若い人のREM睡眠には大きな影響が出るみたいだよ」

忙しいビジネスパーソンのための実践ガイド

  • 夕方以降のカフェイン摂取は控えよう(特に18時以降)
  • コーヒーだけでなく、紅茶・チョコ・エナジードリンクも意識
  • REM睡眠は記憶・創造性に重要。睡眠前の刺激は極力避ける
  • 睡眠トラッカーで脳の“質”もチェックしてみよう
  • カフェインは「朝活」に使い、夜は“オフ”に切り替える意識を

まとめ

「カフェインって、ただ目が冴えるだけじゃなくて、寝てる時の脳の動きにも大きく影響するんだね」と驚くユウジさん。アキラくんの話を聞いて、翌日から夕方以降のコーヒーをデカフェに切り替えることにあなたの脳、夜もちゃんと“休めて”いますか?

関連論文ピックアップ

  • Caffeine caused a widespread increase of resting brain entropyScientific Reports, 2018カフェインは起床時の脳のエントロピーも大きく上昇させることが報告された
  • Regular caffeine intake delays REM sleep promotionJournal of Biological Rhythms, 2021定期的なカフェイン摂取はREM睡眠の開始を遅らせる可能性がある
  • Sleep is more sensitive to high doses of caffeine in the middle years of lifeJournal of Psychopharmacology, 2015中年期はカフェインの睡眠影響に対して特に敏感であると示唆

参考文献

  1. 1Thölke, P. et al. Caffeine induces age-dependent increases in brain complexity and criticality during sleep. Communications Biology (2025). doi.org/10.1038/s42003-025-08090-z

この記事を書いた人

岡本 賢

医師。愛育病院で小児科の臨床に立つかたわら、日経メディカルで連載。CrossFit Level 1 Trainer の資格を持ち、HYROX にも出場する。Business Athlete Club では、運動・睡眠・栄養の研究を、働く人の毎日の選択に訳して届けている。

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