スナップサマリー
- 食事のタイミングや頻度が肥満と密接に関係していることが明らかに
- 日記法よりアンケート法の方が影響をとらえやすい可能性
- エネルギー摂取量の過少申告が、研究結果を歪めるリスクが判明
研究を読むきっかけ
「最近ちょっと太ったかも…」とつぶやいたのは、都内で働くマーケターのリカさん(34歳)。 連日の残業で夕食はいつも22時過ぎ、朝はコーヒー1杯。そんな食生活を送る彼女に、管理栄養士の友人ユウジが声をかけます。「リカ、”何を食べるか”だけじゃなくて、”いつ食べるか”も重要らしいよ」⏰そこで彼女は、最新の研究を一緒に読むことにしました。
研究の紹介(論文情報)
英語
- 原題: Chrononutrition behaviors in relation to diet quality and obesity: do dietary assessment methods and energy intake misreporting matter? 日本語訳: 時間栄養学的行動は食事の質や肥満に関係するのか?食事評価法とエネルギー摂取の過少申告の影響を検証 ジャーナル名: Nutrition Journal 出版年: 2025年 第一著者: Kentaro Murakami 最終
- 著者: Satoshi Sasaki 第一所属機関: 東京大学 公衆衛生大学院この研究では、20〜69歳の日本人1047人を対象に、食事タイミングや頻度と食事の質・肥満との関係を調査。
注目すべきは、アンケート方式(CNBQ)と食事日記方式(11日間記録)の両方を使って評価し、さらに摂取エネルギーの過少申告(EI misreporting)を補正した点です。
研究の要旨(Abstract 全文)
重要性食事のタイミングや頻度が健康に影響を与えるとされる中、評価方法やエネルギー摂取の誤差が結果にどう影響するかは明らかでなかった。 目的異なる評価法(アンケート vs. 食事日記)とエネルギー摂取の誤報告を考慮したうえで、時間栄養行動と食事の質・肥満の関係を明らかにする。 方法日本人1047名を対象とした横断研究。食事行動はCNBQまたは11日間の記録で評価し、食事の質はHealthy Eating Index(HEI-2020)で評価。
エネルギー摂取誤報告はGoldbergカットオフで判定。 結果アンケート法では、おやつ・総食回数・食事終了時間・ミッドポイント・イーティング時差が食事の質と負の関係。 肥満とは食事頻度・イーティングウィンドウの長さが正の関係、EI補正後に顕著に。 一方、日記法ではほぼ関係が見られなかった。
- 結論評価手法によって結果が大きく異なる。特に肥満との関連はEI補正の有無で左右される。今後の研究では、評価手法と誤報告の影響に注意が必要。
研究内容を対話で読む
登場人物:
- リカ(マーケター・34歳)
- ユウジ(管理栄養士・研究マニア) リカ: 「夜遅く食べることが多い私って、もしかして太りやすいってこと?」
ユウジ「この研究によると、食事の終了時間が遅いほど、食事の質が下がる傾向があったんだ。特にアンケートでの評価でそれが顕著だったよ。」 リカ: 「でも、日記に書いた人は違ったの?」
ユウジ「そう。日記では有意な関連が見られなかったんだ。記録すると行動が変わる”リアクティビティ”のせいかもね。」 リカ: 「じゃあ、私が「少なめに食べた」って申告しても、それが研究結果を歪めるってこと?」
ユウジ「そう!エネルギー摂取の過少申告があると、肥満との関連が見えにくくなるって、著者たちも警告してたよ。」
忙しいビジネスパーソンのための実践ガイド
- 朝食を抜かず、朝早めに食べ始めよう(早い食開始が食事の質向上と関連)
- 食事の頻度は増やしすぎに注意(間食が多すぎると肥満リスク↑)
- 仕事が休みの日でも食事時間を極端にずらさない(イーティングジェットラグを防ぐ)
- 自分の食習慣を1週間ほど記録してみよう(気づきが増える)
- アプリや日記をつけるとき、正直に書くこと!(過少申告は逆効果)
まとめ
- 「何を食べるか」だけでなく、「いつ食べるか」が私たちの体に大きな影響を与える時代。
リカさんは、今夜から夕食を少し早めに取ることに決めました。「食べる時間を整えるだけで、ダイエットも健康も変わるかもしれないね」とつぶやきながら。さて、あなたの「食べる時間」、見直してみませんか?
関連論文ピックアップ
- Associations between meal and snack frequency and diet quality in US adults Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics, 2016 → 食事・間食の頻度と食事の質の関連を調査
- Meal timing and obesity: interactions with macronutrient intake and chronotype International Journal of Obesity, 2019 → 食事時間・体内時計・肥満の関連を探る研究
- Late eating is associated with cardiometabolic risk traits American Journal of Clinical Nutrition, 2021 → 遅い食事が心代謝リスクと関連することを報告
参考文献
- 1Murakami K, Shinozaki N, Livingstone MBE, et al. Chrononutrition behaviors in relation to diet quality and obesity: do dietary assessment methods and energy intake misreporting matter? Nutrition Journal. 2025;24:67. doi.org/10.1186/s12937-025-01129-1









