栄養論文紹介6分で読めます

コーヒーは2型糖尿病リスクを下げる? でも砂糖や人工甘味料を入れると効果が減少!?

導入:毎朝のコーヒー、健康にいいの?

「コーヒーは健康に良いって聞くけど、砂糖やミルクを入れたらどうなるの?」会社員の田中さん(45歳)は、毎朝コーヒーを飲むのが習慣です。最近、「コーヒーを飲むと2型糖尿病(T2D)のリスクが下がる」という話を聞き、少し安心しました。でも、「砂糖やミルクを入れても同じ効果があるの?」と疑問に思いました。「ブラックじゃないと意味がないの?それとも、少し砂糖を入れても問題ない?」そこで、最新の研究を調べてみることにしました。

研究の紹介

田中さんが見つけたのは、「コーヒーの摂取と2型糖尿病(T2D)リスクの関連、そしてコーヒーに加える砂糖・人工甘味料・クリームの影響」を調査した大規模な研究でした! 論文情報

  • タイトル:コーヒーの消費、添加物の使用、および2型糖尿病のリスク - 米国の3つの大規模な前向きコホート研究の結果
  • 原題:Coffee Consumption, Additive Use, and Risk of Type 2 Diabetes - Results from 3 Large Prospective United States Cohort Studies
  • 掲載誌:The American Journal of Clinical Nutrition
  • 出版年:2025年3月(オンライン版:2025年1月18日公開)
  • DOI:10.1016/j.ajcnut.2025.01.017
  • 著者:Matthias Henn, Andrea J Glenn, Walter C Willett, Miguel A Martínez-González, Qi Sun, Frank B Hu
  • 所属機関:Harvard T.H. Chan School of Public Health, University of Navarra, Brigham and Women’s Hospital 研究の目的
  • コーヒーの摂取が2型糖尿病リスクを低下させるのかを調査
  • コーヒーに砂糖・人工甘味料・クリームを加えた場合、リスク低減効果が変化するのかを分析 研究方法
  • 対象者:米国の3つの大規模前向きコホート研究(Nurses’ Health Study [NHS], NHS II, Health Professionals Follow-up Study [HPFS])のデータを分析(1986〜2020年、1991〜2020年)
  • 合計フォローアップ期間3,665,408人年
  • T2Dの発症:13,281件の新規糖尿病症例を確認
  • 統計解析:Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、ハザード比(HR)を算出し、コーヒー摂取とT2Dリスクの関連を評価

研究の要旨

研究のポイント

  • ブラックコーヒーを1杯追加するごとにT2Dリスクが10%低下!(HR: 0.90, 95% CI: 0.89–0.92)
  • クリームを加えてもリスク低下の効果は変わらない(HR: 0.90, 95% CI: 0.89–0.92)
  • 砂糖を加えると、T2Dリスク低下の効果が弱まる(HR: 0.95, 95% CI: 0.93–0.97)
  • 人工甘味料も同様に、コーヒーの保護効果を減少させる可能性(HR: 0.93, 95% CI: 0.90–0.96)
  • コーヒークリーマー(非乳製品)は影響があるか不明(統計的に有意な差なし)

研究結果

専門家との対話 田中さん:「コーヒーが糖尿病リスクを下げるって本当ですか?」 研究者:「はい、この研究では、ブラックコーヒーを毎日1杯多く飲むと、2型糖尿病のリスクが10%低下することが分かりました。」 田中さん:「じゃあ、砂糖を入れたらどうなりますか?」 研究者:「砂糖を1杯あたり1ティースプーン(約4g)加えると、このリスク低下効果が弱まりました。つまり、ブラックコーヒーの方が健康的と言えます。」 田中さん:「人工甘味料ならいいですか?」 研究者:「人工甘味料を使っている場合も、ブラックよりは効果が弱まりました。(HR: 0.93, 95% CI: 0.90–0.96)」 田中さん:「じゃあ、ミルクやクリームは?」 研究者:「クリームを加えても、T2Dリスク低下の効果は変わりませんでした! なので、ブラックコーヒーが苦手なら、ミルクやクリームを少量加えるのはOKです。」

忙しいビジネスマンのための実践ガイド

  • 健康的なコーヒーの飲み方
  • ブラックコーヒーを選ぶ(2型糖尿病リスクを最大限に低減)
  • どうしても甘みが欲しい場合は、砂糖や人工甘味料の量を減らす
  • クリームやミルクを少し加えるのはOK(健康効果に影響なし)
  • 1日のコーヒー摂取の目安
  • 1日3〜5杯のブラックコーヒーが最も健康的
  • 砂糖を加える場合はできるだけ少量に
  • 過剰摂取(6杯以上)はカフェインの影響が強くなるため注意
  • 簡単にできるコーヒー習慣の改善方法
  • 朝はブラックコーヒーに切り替える
  • 甘みが欲しいなら、シナモンやカカオパウダーをプラス(砂糖なしで風味UP!)
  • 無糖のアーモンドミルクやオーツミルクを使ってヘルシーな味わいに

まとめ

コーヒーは2型糖尿病リスクを下げる可能性がありますが、砂糖や人工甘味料を加えるとその効果が弱まることが判明しました。

ブラックが苦手なら、クリームやミルクならOK! でも、砂糖の量には注意が必要です。 「あなたはコーヒーに何を入れていますか?」ぜひコメントで教えてください!

この記事を書いた人

岡本 賢

医師。愛育病院で小児科の臨床に立つかたわら、日経メディカルで連載。CrossFit Level 1 Trainer の資格を持ち、HYROX にも出場する。Business Athlete Club では、運動・睡眠・栄養の研究を、働く人の毎日の選択に訳して届けている。

Business Athlete Club について