運動の目安を知ったうえで、今ある予定の中に続けられる時間を探します。
成人の観察研究・WHOと厚生労働省のガイド運動をしたいのに、予定を埋めると時間が残らない。時間を探す前に、明日の予定を見てみます。通勤、昼休み、帰宅後。どの予定の間なら、歩く時間を残せるでしょうか。
体力の研究は、何を測ったか。
Mandsagerらの研究は、臨床で運動負荷検査を受けた成人を追跡しました。検査から推定した心肺体力が高い群ほど、追跡期間中の死亡リスクが低いという関連が見られました。測ったのは、運動負荷検査で得られた推定METという、運動を続ける能力の指標です。
これは、運動の方法を割り当てて比べた試験ではありません。もともとの健康状態なども結果に影響します。この関連から、運動によって一人ひとりの寿命が何年延びるかを計算することはできません。体力に目を向ける手がかりとして読みます。
体力と死亡の関連を、追う。
| 比較する点 | 研究が測ったこと | 読み取れる範囲 |
|---|---|---|
| 対象 | 運動負荷検査を受けた成人122,007人 | 一般の働く人全員を調べた研究ではありません。 |
| 測定 | トレッドミル検査による推定METs | 体力の指標。研究でVO₂maxを直接測ったわけではありません。 |
| 追跡 | 中央値8.4年の死亡記録 | 体力の違いと死亡の関連を見た比較です。 |
体力が高い群ほど、全死亡リスクが低い関連がありました。
特定の運動を始めれば、個人の寿命が何年延びると示した結果ではありません。
一週間の目安を、知っておく。
WHOは成人に、週150〜300分の中強度の有酸素活動、または週75〜150分の高強度の活動、あるいは両者の組み合わせを推奨しています。加えて、筋力を高める活動を週2日以上行うことも勧めています。これは成人向けの一般的な目安です。
身体活動には、歩いて移動することや家事で身体を動かすことも含まれます。WHOは、少しでも活動することに意味があり、すべての活動が数えられるとしています。日本のガイドも、個人差に合わせて、今より少しでも多く動くことを勧めています。
短い時間を、予定の中へ。
翌日の予定を開いて、歩く時間を5〜10分置けそうな場面を探します。通勤の途中、昼休みのあと、帰宅して着替える前。毎日ある予定と一緒に考えると、自分が選べる場所が見えてきます。
この5〜10分は、始める場面を決めるための試案です。ガイドラインの活動量を満たすと保証する時間ではありません。まとまった運動の時間も含め、一週間全体を見ながら、無理のない形を探します。
- 家を出る
- 歩く5〜10分始め方の例
- 駅へ向かう
明日の通勤経路に、無理なく歩ける時間を置く。
5〜10分は始める場面を決めるための試案です。推奨活動量を満たす保証ではありません。一週間全体と、負担が大き過ぎないかをあわせて見ます。
今週、決めること。
実行した日は、歩けた時間と、負担が大き過ぎなかったかを短く記します。できなかった日も、理由を書いておく。時間帯や場所が合わなければ、次の予定で変えてみます。これは健康効果の判定ではなく、生活に置けるかを確かめる記録です。
体調や持病で運動に不安がある場合は、医療者に相談して活動を調整します。次の予定を入れるとき、歩く時間を一つだけ置いてみる。いつなら続けられるかを見つけるところから、今週の運動を始めます。
自分の生活で、確かめる。
- 確かめる
- 実行できた場面と、負担が大き過ぎなかったか。
体力と死亡の関連から個人の寿命は予測できません。5〜10分は始め方の試案で、推奨活動量を満たす保証ではありません。
編集BAC編集部
- 01Mandsager K et al. Association of Cardiorespiratory Fitness With Long-term Mortality Among Adults Undergoing Exercise Treadmill Testing. JAMA Network Open, 2018. 運動負荷検査を受けた成人の観察研究。↗
- 02World Health Organization. Physical activity. 2024年更新。成人の有酸素活動と筋力を高める活動の推奨。↗
- 03厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023. 成人向けの推奨と、個人差に応じた活動の調整。↗
