16時間断食が通常のカロリー制限より優れた減量法だとは、今回の比較からはいえません。選ぶ前に、食事の時刻と生活の条件を確かめます。
ランダム化比較試験・99試験のネットワークメタ解析朝食を抜けばいいのか、夕食を早めればいいのか。研究には、午後4時で食事を終える条件もあります。仕事や家族との夕食が夜にあるなら、その条件は生活に合うでしょうか。16時間という数字を選ぶ前に、何と比べた研究なのかを確かめます。
食べる時間を、限る方法。
16時間断食は、一日のうち食べる時間を8時間に限る方法です。間欠的断食の研究には、日ごとに食事量を変える方法なども含まれます。違う方法の結果を、そのまま16時間断食の結果として読むことはできません。
2025年のBMJの解析は、99件のランダム化比較試験をまとめ、間欠的断食の方法ごとに通常のカロリー制限などと比較しました。参加者の多くは、過体重や肥満のある成人です。まず、どんな人の、どの方法を比べた結果なのかを確かめます。
何と比べて、どうだったか。
Liuらの試験では、食べる時間帯を限る群が、カロリー制限だけの群を上回る、統計学的に明確な体重減少の差は検出されませんでした。次の図で、両群が何を変えたかを確かめます。
BMJの解析でも、間欠的断食の各方法が通常のカロリー制限を一律に上回ったわけではありません。隔日断食では追加の減量が見られましたが、食べる時間を限る方法の優越性は示されていません。差を検出しなかった結果は、どんな条件でも同じ効果だと証明したこととは区別して読みます。
一方の群だけに加えた条件は、08:00〜16:00という食事の時間帯です。
帯は研究の条件を示し、実際に食べた時刻や時間を示すものではありません。体重減少の明確な群間差は検出されませんでした。同等性を証明した結果でも、寿命を比較した試験でもありません。
出典の研究を読むこの研究が、答えないこと。
BMJの解析に含まれた試験の追跡期間は、中央値で12週でした。Liuらの試験も12か月の比較です。こうした結果から、16時間断食で寿命が延びる、健康な成人の病気を防げる、と結論することはできません。
食事の時間を変えるときは、仕事、空腹、家族の食卓、体調との関係も考えます。糖尿病の治療中など、食事と薬の調整が関わる人は、始める前に医療者に相談してください。自分の条件を確かめてから、方法を選びます。
変える前に、書き留める。
普段の数日について、食事と間食の時刻、食べたもの、空腹を感じた場面を短く記します。まだ食べる時間を変える必要はありません。仕事が遅くなる日や家族と食べる時間も、同じメモに残します。
記録を見て、どの時間なら無理なく食べられるか、生活に負担が出そうかを考えます。これは断食の効果を試す記録ではありません。食べる時間を変える方法が自分に合うか、選ぶ前に条件を把握するためのメモです。
自分の生活で、確かめる。
- 確かめる
- 仕事、家族の食卓、体調と両立できそうか。
主に過体重や肥満のある人の減量研究です。寿命や健康な成人の予防効果は結論できません。糖尿病治療中などは事前に医療者へ相談します。
編集BAC編集部
- 01Semnani-Azad Z et al. Intermittent fasting strategies and their effects on body weight and other cardiometabolic risk factors: systematic review and network meta-analysis of randomised clinical trials. BMJ, 2025. 99件のランダム化比較試験を統合したネットワークメタ解析。↗
- 02Liu D et al. Calorie Restriction with or without Time-Restricted Eating in Weight Loss. New England Journal of Medicine, 2022. 肥満のある成人139人を12か月比較したランダム化試験。↗
- 03JAMA Patient Page. Intermittent Fasting. JAMA, 2021. 断食を選ぶ前の注意点と医療者への相談。↗
