睡眠論文紹介5分で読めます

「恒久的な標準時」が健康と安全にベストな理由とは?

導入:朝型か夜型か…悩めるビジネスパーソンの一日⏰

「最近、朝がつらいんだよね…」とつぶやくのは、外資系企業で働く営業職の木村さん(35歳)。朝8時にはオフィスに出社、夜は海外との会議で22時までPCの前という生活が続いています。春になり、サマータイム(DST)が始まったタイミングで、なぜか疲労感が強くなった気がする…。「ただの季節の変わり目?」と思っていたところ、同僚からこんな話を聞きました。

えっ、本当に?それって健康とどう関係あるの? さっそく調べてみると、興味深い論文を見つけました。

研究の紹介

木村さんがスマホで見つけたのは、2024年に発表されたこちらの論文

  • タイトル(英語): Permanent standard time is the optimal choice for health and safety: an American Academy of Sleep Medicine position statement
  • タイトル(日本語): 健康と安全のためには恒久的な標準時が最適:米国睡眠医学会の提言
  • ジャーナル名: Journal of Clinical Sleep Medicine(2024年)
  • 第一著者: Muhammad Adeel Rishi
  • 最終
  • 著者: Shannon S. Sullivan
  • 第一所属機関: Indiana University School of Medicine(インディアナ大学医学部)この論文は、アメリカ睡眠医学会(AASM)が2020年に出した声明のアップデート版で、「サマータイム(DST)は健康に悪影響があり、恒久的な標準時(ST)の方が理にかなっている」という立場を再確認しています

研究の要旨

重要性

DSTは、体内時計(概日リズム)と社会的スケジュールにズレを生じさせ、健康・安全に悪影響を与える。

目的

AASMはDSTの廃止とSTの恒久化を提言。本論文では、その立場を2020年以降の新たなエビデンスを踏まえて再確認。

方法

既存文献と疫学・実験研究をレビューし、DST/ST切替による急性・慢性の健康影響を検討。

結果

DST移行直後には以下が増加:

  • 睡眠の質と量の低下
  • 心血管疾患(心筋梗塞など)
  • 精神的健康問題(うつなど)
  • 交通事故
  • 学業・仕事のパフォーマンス低下慢性的な睡眠不足と「社会的時差」もリスク要因に。

結論

DSTは朝の暗さ・夜の明るさを増やし、概日リズムを乱す⏳STの方が体内時計と自然光に整合し、健康と生産性の維持に有利。

研究結果

専門家の声

睡眠専門医・佐藤先生「体内時計は“朝の光”に強く反応します。DSTになると、朝が暗くなり、リズムが遅れてしまうんです」

木村さん「つまり、サマータイムって“朝型人間”になるのを妨げてるってこと?」

「そうですね。特に心臓病やうつ病のリスクが高まることがデータでも示されています」「それって…国レベルで見直すべき話じゃない?」

「実際、AASMは“国として恒久的な標準時にすべき”と明言しています。健康と社会の両面からもその方が合理的なんです」

忙しいビジネスマンのための実践ガイド

DSTを見直す前に、個人でできる“概日リズム対策”はこちら

  • 朝はできるだけ自然光を浴びる
  • 休日の寝坊は1時間以内にとどめる⏰
  • カフェインやスマホの使用は就寝2時間前までに
  • 可能なら在宅勤務で“朝活”しやすい環境づくり 木村さんも、これを実践してみることに。「まずはカーテンを開けて朝日を浴びる習慣から始めようかな…」

まとめ

翌週、木村さんは少し早起きして出社。「朝がラクになってきたかも…!」と実感サマータイムの健康影響は意外に大きいかもしれません。あなたの生活リズムも、“標準時”に整える習慣から見直してみませんか?

健康上の懸念がある場合は専門医にご相談ください。 他の論文も気になる方は、ぜひフォロー&いいねをお願いします! 論文紹介リクエストも大歓迎です!

参考文献

  1. 1Rishi MA, Sullivan SS, et al. Permanent standard time is the optimal choice for health and safety: an American Academy of Sleep Medicine position statement. J Clin Sleep Med. 2024.
  2. 2本記事は医学的アドバイスを目的としたものではありません。

この記事を書いた人

岡本 賢

医師。愛育病院で小児科の臨床に立つかたわら、日経メディカルで連載。CrossFit Level 1 Trainer の資格を持ち、HYROX にも出場する。Business Athlete Club では、運動・睡眠・栄養の研究を、働く人の毎日の選択に訳して届けている。

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