健康診断では、足りない。
身体は、もっと細かく語る。
Apple Watch、握力計、体組成計、CGM、HRVストラップ。この10年で、一般人が自分の予後を「数字で読む」装備が揃った。
問題は、何を測るか、どこからが安全圏か、どの数字が嘘をつくか。Vol. VII は、自分を定量化する読者のためのキャリブレーションマニュアル。
CRF / VO2max — 喫煙より強い予後マーカー
心肺フィットネス(cardiorespiratory fitness, CRF)は単一の生理指標として最も強い予後予測因子のひとつ。ジムに行かなくても Apple Watch が代理推定値を毎日出している。問題は「自分の VO2max が何 mL/kg/min 以上なら安全圏か」「ウェアラブルの数字をどこまで信じるか」。
自宅で測れる老化のメーター
握力は道具が安く、測定が一瞬で、しかも全死亡・心血管死・がん発症を予測する。BAC 読者が最初に買うべきガジェットは Apple Watch ではなく握力計、という主張の元データ。
因果関係まで届いた指標
歩行速度は「測れる老化」。観察研究の蓄積に加え、メンデル無作為化(MR)で因果関係まで届いた数少ない指標。Apple Watch・Health アプリは普段の歩行速度を勝手に推定している。
ガジェットを買う前に、
握力計を一台。
Apple Watch が毎晩出している数字
Apple Watch を着けて寝るだけで、毎朝「夜間最低心拍」が出る。だが、その数字が何を意味しているか、何 bpm から心配すべきかを言語化している記事は少ない。
集団では効かない、個人では効く
HRV(heart rate variability)は自律神経バランスの代理指標。Whoop / Oura / Garmin が「Recovery score」を出すコアの数字。理論はきれいだが、エビデンスは集団データほどクリーンには出ていない。
DEXA / InBody / 家庭用 — 何を信じるか
DEXA、InBody、Tanita、家庭用 Withings。同じ「体脂肪率」が機械ごとに5-8ポイント違う。「絶対値ではなく変化量を見る」が現場の答え。
非糖尿病者が CGM を着ける時代
リブレ / DexCom が薬局で買えるようになった。糖尿病でない人が CGM を着ける意味はあるか。データは増えているが、「予後改善」までは届いていない。
数字は、毎日少しずつ動く。
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