座りすぎが悪い。ここまでは、もう多くの人が知っている。
問題は、その次です。では、立てばいいのか。
2024年の RESET-BP 試験は、デスクワーカー271人を対象に、座位行動を減らす介入を3か月行ったランダム化試験。コーチング、活動プロンプター、昇降デスクなどを使って、座っている時間を立位や歩行に置き換えようとした。狙いは血圧や血管の硬さを見ること。

ここが面白いのだけど、座る時間を減らせても、血圧がきれいに下がるとは限らなかった。スタンディングデスクを入れれば代謝も血圧も一気に改善、というほど単純ではない。
一方で、2025年の Circulation の試験では、過体重または肥満の閉経後女性407人を、座る時間を減らす群、立ち座り回数を増やす群、対照群に分けている。座る時間そのものを減らす介入と、sit-to-stand の回数を増やす介入は、行動としては別のものだった。
つまり、座位対策は「立つ」だけでは粗い。
座る総時間を減らす。立ち上がる回数を増やす。歩く。軽い筋トレを挟む。これらは似ているようで、身体への刺激は違う。
ただし、ここはまだ研究が割れる領域です。血圧、血糖、満腹ホルモン、血流、疲労感。どのアウトカムを見るかで結論が変わる。だから、スタンディングデスクを買えば解決、と言い切るのは早い。
で、どうするか。
- 25分から30分に1回、立つ。
- できれば2分歩く。
- 会議の前後にスクワットを10回入れる。
- 昇降デスクは、立ちっぱなしの道具ではなく中断を増やす道具として使う。
立つことが目的ではない。
座りっぱなしの流れを切る。それが本丸です。
参考文献
- RESET-BP randomized clinical trial, Circulation 2024. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39166323/
- Sit less / sit-to-stand randomized trial, Circulation 2025. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40709462/
今週の1行。立つだけでなく、座り方を壊す。


