睡眠というと、まず時間を見てしまう。6時間か、7時間か、8時間か。

もちろん短すぎる睡眠はよくない。でも、最近の睡眠研究でかなり面白いのは、長さよりもブレです。毎日どれくらい同じ時刻に眠り、同じ時刻に起きているか。
Sleep に出た UK Biobank の前向きコホート研究では、60,977人の加速度計データを使って、睡眠規則性と死亡リスクを見ている。睡眠データは1,000万時間以上。追跡は平均6.3年。睡眠の規則性が高い人ほど、全死亡、がん死亡、心血管代謝死亡のリスクが低かった。しかも、モデル上は睡眠時間より規則性のほうが強い予測因子だった。
これは、かなり生活に近い話です。
平日は5時間半、土日は10時間。会食の日は深夜1時、翌日は眠気で昼まで。出張で朝がズレる。これを全部、根性で相殺しようとする。でも身体から見ると、時差ぼけを毎週作っているようなものかもしれない。
ただし、これは観察研究です。睡眠が規則的だから長生きしたのか、もともと健康で生活が整っている人ほど睡眠が規則的なのか、そこは完全には切れない。年齢も平均60代なので、30代から40代のビジネスパーソンにそのまま当てはめるのも慎重に。
それでも、実践の方向はかなり明確です。
- 起床時刻を固定する。寝る時刻より、起きる時刻のほうが固定しやすい。
- 週末の寝だめを2時間以内に抑える。
- 会食や出張の翌日は、朝の光だけは浴びる。
睡眠は、長さだけでなくリズムで読む。
8時間寝たのにだるい日がある。6時間半でも妙に軽い日がある。その差の一部は、たぶんブレです。
参考文献
- Sleep regularity is a stronger predictor of mortality risk than sleep duration, Sleep 2024. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37738616/
今週の1行。眠りは、時間だけでなく時刻で崩れる。


