クレアチンと聞くと、筋トレのサプリという印象が強い。
ベンチプレス、スクワット、短時間の高強度運動。たしかにその文脈では、かなり研究が積み上がっている。

でも最近、クレアチンは脳の話にも入ってきている。特に面白いのは、睡眠不足です。
2024年の Scientific Reports の研究では、睡眠不足の状態で高用量のクレアチンを単回投与し、脳内の高エネルギーリン酸や認知課題を見ている。投与量は0.35g/kg。かなり多い。結果として、脳のエネルギー代謝に関わる指標が動き、認知パフォーマンスも改善する方向が示された。
ここだけ読むと、寝不足の日はクレアチンを飲めばいい、となりそうだけど、それは早い。
この研究は特殊な条件です。睡眠不足、単回高用量、短期の測定。日常的にこの量を勧める話ではない。胃腸症状もありうるし、腎機能に不安がある人はなおさら慎重に読む必要がある。
一方で、2026年の Nutrition Reviews のシステマティックレビューでは、高齢者の認知機能とクレアチンに関する研究が整理されている。含まれた研究は6本、参加者は1,542人。現時点では、可能性はあるが、まだ限定的。強い結論を出す段階ではない。
だから、今の位置づけはこうです。
クレアチンは、筋肉だけでなく脳のエネルギーにも関係していそう。ただし、仕事のパフォーマンスを上げる万能サプリではない。
で、どうするか。
- 筋トレをしている人が、通常量のクレアチンを使うのは選択肢になる。
- 睡眠不足対策としては、まず寝る。
- カフェインで削り、クレアチンで取り返す、という発想にはしない。
サプリは、睡眠の代わりにはならない。
でも、筋肉と脳をつなぐ栄養として、クレアチンはかなり面白い場所に来ている。
参考文献
- Single dose creatine during sleep deprivation, Sci Rep 2024. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38418482/
- Creatine and Cognition in Aging, Nutr Rev 2026. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40971619/
- Creatine supplementation and cognitive function in adults, Front Nutr 2024. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39070254/
今週の1行。クレアチンは、筋肉から脳へ広がり始めた。


