FEATURE № 06 — THE NUTRITION ISSUE / OMEGA-3
Not the amount,
but the ratio.
Plate II
NUTRITION — OMEGA-3, EPA OVER DHA

量より、
EPA/DHAの比。そこに答えがある。

オメガ3の話は、長らく雑に扱われすぎた。種類と比率と量を分けて見ると、絵がはっきりする。「魚油サプリ全般」では、ぼやけた答えしか出てこない。

氷の上の青魚、市場の朝。Plate II
06-01
REDUCE-IT — THE LINE BETWEEN DOSE AND PURITY
REDUCE-IT という、量と純度の境
純EPA・高用量が、明らかに有効だった。

Bhatt 2019 NEJM の REDUCE-IT 試験は、スタチン治療下で高TG血症(135〜499 mg/dL)の患者 8,179 人を対象に、純EPA(イコサペント酸エチル)4g/日 vs プラセボを比較した。主要心血管イベントは HR 0.75(25%減、p<0.001)。「EPA単体・高用量」が明らかに有効。

陶器のスプーンに落ちる金色の一滴。Plate III
06-02
THE ORDINARY SUPPLEMENT DID NOT WORK
通常サプリは、効かなかった
通常用量の混合サプリでは、心血管イベントは減らなかった。

対照的に Aung 2018 JAMA Cardiology のメタ解析(10試験、77,917人)は、通常用量(おおむね 1g/日前後の EPA/DHA 混合)のサプリでは、心血管イベントの有意な減少を示さなかった(HR 0.96)。「魚油はとっておけば安心」という過去の常識は、薄まっていく。

−25% MACE
REDUCE-IT 主要心血管イベント
海辺の窓、夜明けの静けさ。Plate IV
NOVEL — Hemingway, The Old Man and the Sea1952
アーネスト・ヘミングウェイ『老人と海』· Ernest Hemingway, The Old Man and the Sea

老人サンティアゴは、85日目にようやく巨大なカジキを掛ける。海から獲る魚は、雑にひとくくりにはできない。どの魚を、どれだけ、どう獲るか。ヘミングウェイの簡潔な散文が描いたのは、漁という営みの規律だった。オメガ3もまた、「魚油全般」ではなく、種類と比率と量で語られるべきものだ。

06-03
WHAT THE MECHANISM POINTS TO
機序が告げる、本当のターゲット
予防は食事から、治療は処方として、分けて読む。

Mozaffarian & Wu 2011 JACC の包括レビューは、EPA/DHA の生理作用を抗炎症・中性脂肪低下・抗不整脈・血圧低下で整理した。一般人口での「予防的サプリ」と、特定の高リスク集団での「治療」は別の問題。前者は食事から、後者は処方として、として分けるのが現代的な読み方。

丸ごと一匹のサバと、瓶に並ぶカプセル。Plates VI–VII
現実への翻訳

健常者の予防はまず青魚を週2〜3回。心血管高リスク・高TG血症の患者は処方薬としての高用量EPAが選択肢。「魚油サプリでとりあえず」という時代は、緩やかに終わりつつある。

食べ終わった皿、骨の整列。Plate VIII
CODA — 編集後記

魚油をひとくくりにしていたあいだ、答えはずっとぼやけていた。種類と比率と量を分けると、絵がはっきりする。純EPA・高用量は治療として、青魚は食事として。「とりあえず魚油サプリ」の時代は、静かに終わっていく。

— 編集部
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