← Vol. III · SleepIssue · 09  ·  Jul 1, 2026  ·  5 min read
睡眠 · 第 09

寝室は、18℃で。

深部体温が下がるとき、人は眠りに落ちる。冷えた部屋が、その下降を助ける。

AMPL Editorial · Tokyo4 References
30秒で、持ち帰る。
  1. 01Kräuchi 1999 Nature: 足部血管拡張による末梢熱放散が、入眠潜時の最良予測因子。
  2. 02Okamoto-Mizuno 2012(日本人著者レビュー): 暑熱・寒冷ともに覚醒増加・REM/SWS減少。
  3. 03Harding 2019: 環境冷却が NREM/SWS を促進する神経回路レベルでも整合。
本文

暑い部屋は、眠りの入り口を狭める。寝室の温度は、暖かさより涼しさの方が原則として正しい。深部体温が下がるとき、人は眠りに落ちる。

深部体温が下がる、その仕組み

Kräuchi 1999 Nature の古典は、入眠時の体温調節カスケードを描いた。手足の皮膚血管が拡張して熱を放散し、その結果として深部体温が下がる。手足が温まることが、深部体温を下げるための前提。寒い部屋で布団に潜るとよく眠れるのは、この末梢熱放散がスムーズに起きるから。

16〜19℃という、生理的な窓

Okamoto-Mizuno & Mizuno 2012(J Physiol Anthropol)は、温熱環境と睡眠の関係を包括的にレビューし、暑熱と寒冷の両極が REM・SWS を減らすことを整理した。Kräuchi 2007 のレビューもあわせ、就寝時の至適室温として16〜19℃前後が推奨される。日本の夏夜は空調なしでは達成しがたい温度帯。

16–19
推奨寝室温度
Okamoto-Mizuno 2012 — 暑熱・寒冷両極で覚醒増

神経回路レベルで見ても、合っている

Harding 2019 Front Neurosci は、環境冷却が NREM・徐波睡眠(SWS)を促進する神経回路の総説。視床下部前野の温感ニューロンが、室温の低下を「眠りに入っていい」というシグナルに変換する。建築設計の話でも経験談でもなく、神経回路レベルで整合的な処方。

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