睡眠Vol. 095分で読む

寝室の温度を、心地よく。

暑さや寒さは睡眠に影響する。季節、寝具、体調に合わせて環境を整える。

Keep the room cool.
SLEEP — KEEP THE ROOM COOL

寝室は、
18℃で。

暑い部屋は、眠りの入り口を狭める。寝室の温度は、暖かさより涼しさの方が原則として正しい。深部体温が下がるとき、人は眠りに落ちる。

止まった扇の下、静かに整ったベッド。Plate II

深部体温が下がる、その仕組み

手足が温まることが、深部体温を下げるための前提。

Kräuchi 1999 Nature の古典は、入眠時の体温調節カスケードを描いた。手足の皮膚血管が拡張して熱を放散し、その結果として深部体温が下がる。手足が温まることが、深部体温を下げるための前提。寒い部屋で布団に潜るとよく眠れるのは、この末梢熱放散がスムーズに起きるから。

サーモスタットの目盛、19度未満。Plate III

快適な寝室を、季節に合わせる

暑さや寒さで目が覚めるなら、室温と寝具を調整する。

2012年のOkamoto-MizunoとMizunoのレビューは、温熱環境が睡眠に影響することを整理している。影響は寝具や衣服で変わり、この論文から全員に16〜19℃を勧めることはできない。室温と寝具を合わせて調整したい。

快適
季節・寝具・体調に合わせて調整
畳まれた毛布、整えられた朝のあと。Plate IV

神経回路レベルで見ても、合っている

視床下部前野の温感ニューロンが、室温の低下を「眠りに入っていい」というシグナルに変換する。

Harding 2019 Front Neurosci は、皮膚の温め、体内からの熱放散、NREM睡眠を結ぶ回路についての総説。温かい寝床の環境も関わり、この回路から室温を一律に下げる処方は導けない。

畳まれたブランケットと、開いた窓。Plates VI–VII
寝具と室温は、別の役割

「寒すぎると眠れない」のは正しいが、それは寝具で解決すべき問題。室温は冷やし、寝具で温める。両者を混同すると、暑い部屋で薄い布団という最悪のセットになる。

夜の青、眠りの色。Plate VIII
CODA:編集後記

暑い部屋は、眠りの入り口を狭める。手足が温まり、熱が逃げ、深部体温が下がる。その下降を、冷えた部屋が助ける。室温は冷やし、寝具で温める。今夜の処方は、暖かさより涼しさのほうにある。

編集部

WordsAMPL Editorial

EditorKen Okamoto, MD