女性医学は、
男性医学の縮小版ではない。
月経周期、RED-S、鉄欠乏、閉経 HRT、骨密度、PCOS と GLP-1、妊娠・産後。男性中心に組み立てられてきた運動・栄養エビデンスの「女性版」を、過去5年の論文で読み直す。
男性読者にとっても重要:配偶者・娘・部下・患者を理解するための章としても運用できる。
McNulty 2020 Sports Med メタ(n=51 試験):月経周期段階間の運動パフォーマンス差は ES −0.06、有意でない。 Kissow 2022 Sports Med の追加データも同方向。「黄体期は弱い」は個人差はあるが、集団傾向としては弱い。
“「黄体期は強度を下げる」は、
思ったほど強い証拠ではない。”
Mountjoy 2023 IOC BJSM 更新:RED-S は男女両方に発生するが、女性で見つかりやすい。 骨密度低下、無月経、ホルモン異常、免疫低下、認知機能低下を引き起こす。 推奨はカロリー摂取の確保、特に持久系・体重カテゴリ競技者に注意喚起。
Pengelly 2024 J Sport Health Sci 系統レビュー:女性アスリートの 30-50% が低フェリチン(<30 ng/mL)、貧血の有無に関わらず疲労・回復遅延と関連。 月経のある女性は男性比で鉄摂取量を意識する必要あり。 高負荷トレーニングは hepcidin を上げて鉄吸収を阻害する。
“女性の疲労は、
鉄不足のシグナルかもしれない。”
Manson 2017 JAMA:閉経後 10 年以内 or 60歳未満で開始した HRT 群は、全死亡 HR 0.78、心血管リスク 中立。70-79 歳開始だと逆転。 NAMS 2022 ポジションステートメント:症状ある女性で benefit > risk。
Watson 2017 LIFTMOR(n=101、閉経後骨粗鬆症):高負荷レジスタンス(80-85% 1RM)+ jumping を週2回 8ヶ月。腰椎BMD +2.9%、大腿骨頸部 +0.3%、コントロール群は減少。 「軽い負荷の歩行」は骨密度には不十分、構造的負荷が必要。
“閉経後の骨は、
高負荷レジスタンスでしか守れない。”
De Hollanda Morais 2024 メタ(4 RCT, n=176, PCOS):GLP-1(リラグルチド・セマグルチド)でBMI −2.42、ウエスト −5.16 cm、月経周期改善。 ただし 挙児希望のある PCOS 女性での GLP-1 は禁忌(妊娠時禁忌)、3ヶ月の wash-out が必要。
ACOG 804(2020):合併症のない妊娠では 週150分の中強度運動を推奨。 妊娠糖尿病・妊娠高血圧予防効果が観察されている。 Beamish 2025 BJSM SR+メタ(65試験、n=21,334):産後1年以内の骨盤底筋訓練で尿失禁リスク OR 0.63(95%CI 0.41-0.97)、 骨盤臓器脱リスクも低下(OR 0.44)。腹直筋離開への腹筋訓練も有効。
- 01.1McNulty 2020, Sports Med · 51試験meta↗
- 01.2Kissow 2022, Sports Med↗
- 02.1Mountjoy 2023, BJSM · IOC↗
- 02.2Torstveit 2023, BJSM↗
- 03.1Pengelly 2024, J Sport Health Sci · SR↗
- 04.1Manson 2017, JAMA · WHI 18年↗
- 04.2NAMS 2022, Menopause↗
- 05.1Watson 2017, JBMR · LIFTMOR↗
- 06.1De Hollanda Morais 2024↗
- 07.1ACOG 804, 2020, Obstet Gynecol↗
- 07.2Beamish 2025, BJSM↗
女性医学は、男性研究の縮小版ではない。
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