寝ているあいだに、
身体は何を作り直しているか。
Vol. VI が「いつ寝るか」だったとすれば、Vol. IX は「寝ている間に何が起きているか」。NREM、REM、徐波睡眠、グリンファティック、感情記憶の再処理、自律神経の再起動。
8時間は道具であって目的ではない。構造を読めば、量より質が見える。2021-2025年の主要医学誌から13本を集めて、寝室を更新する。
徐波睡眠は、年に1%失われる
深い睡眠(徐波睡眠 SWS)は、年齢とともに静かに減っていく。Framingham Heart Study の長期追跡で、その減少速度が認知症のリスクを直接予測した。
グリンファティック・システムが洗うもの
脳には独自の「廃棄物処理系」がある。覚醒中は機能せず、睡眠中、特に徐波睡眠の最中にだけ活発化する。Aβ・タウタンパクのクリアランスがここで起きる。
恐怖記憶の再処理は REM の仕事
REM睡眠中、海馬と扁桃体は再活性化し、その日に経験した感情記憶が「処理」される。PTSD・不安・うつが REM 異常と双方向に関連する所以。
CPAP は使えば効く、使われなければ効かない
CPAP の心血管予後改善は、長らくRCTで陰性を繰り返してきた。SAVE試験(2016)以降の再解析が、アドヒアランス層別すれば効果が見える、と示した。
寝室は、
もうひとつの
介入の場所だ。
寝室の温度・PM・騒音は、深睡眠を削る
「眠れない」は気合いの問題ではない。寝室の温度、空気質、騒音が、定量的に深睡眠を削っていることが過去5年で精緻化された。
アルコールが奪うのは寝つきではなく、REM
「飲んだ方がよく寝られる」は半分嘘、半分本当。入眠は早まるが、REM が削られて、夜後半の睡眠が分断される。
「深睡眠 12%」は、何を測っているか
Apple Watch、Oura、Whoop、Garmin。各社「深睡眠」「REM」を出すが、PSG(医療標準)との一致度は機種ごとに大きく違う。数字を盲信しない読み方。
夜は、毎週違う。
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寝ているあいだにしか起きない。
Vol. IX で扱った13本の論文は、すべて PubMed API で実在検証済み。原典に直接飛んで、自分の身体に当てはまるかを判定してほしい。
論文の読み方は /paper、規則性は Vol. VI、回復のドクトリンは Vol. XVIIIへ。